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今回のテーマは建設業における週休2日制です。
まず、週休2日制の中でも大きく分けて、「完全週休2日制」と「(それ以外の)週休2日制」の2種類があります。前者は毎週2日の休みがある制度ですが、後者は月の中で1回以上、2日休みの週がある制度のことです。
全ての産業の中で、「完全週休2日制」の企業は約6割弱です。
出典:「令和6年就労条件総合調査 結果の概要(労働時間制度)」P2より一部抜粋し、加工して作成
そして、これまで何度かお伝えしてきましたが、建設業は他の産業と比較して労働時間が多く、その一因として(完全)週休2日制が十分に普及していないことが挙げられます。
以下の国の資料をご覧ください。
出典:厚労省サイト「はたらきかたススメ」より一部抜粋・加工して作成
また、民間工事における休日取得状況について、完全週休2日制と同程度の「4週8休以上」の割合は増加傾向にはありますが、約2割から3割弱です。
出典:国土交通省資料「令和5年度 適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査結果」P34,36より一部抜粋し、加工して作成
また、建設関係企業が加盟する日本建設業連合会の最新の調査結果によると、「4週8閉所」を行っている企業は約6割で、増加傾向にあります。
出典:日本建設業連合会作成「週休二日実現行動計画2024年度通期フォローアップ報告書」
P5より抜粋し、加工して作成
当該団体は「週休2日実現行動計画」を策定しており、令和7年度は年間休日日数の調査を行う予定です。このように業界全体で週休2日の普及に向けた取り組みが進められています。
建設業において完全週休2日制を広めることで担い手確保につながることから、国や自治体はまずは自らが発注する公共工事の中で、その普及に向けた取り組みを進めています。
令和7年度の国の方針は以下のとおりです。
出典:国土交通省資料「令和7年度 国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定」P2より引用
また、国は令和5年度より共通仕様書を改正し、週休2日を標準とした内容に変更しています。
出典:関東地方整備局作成「建設業の働き方改革の推進」P28より引用
また、大阪府発注の公共工事での令和7年度の方針は以下のとおりです。
週休2日促進工事の実施について
1.対象案件
公共建築室における令和7年4月1日以降に契約する、原則全ての工事を対象とします。
※入札公告及び補足説明書において、週休2日促進工事の対象の有無(発注者指定方式、受注者希望方式又は対象外)を明示します。
2.内容
原則として、土曜日、日曜日を現場閉所(資料整理等の事務作業も認めません)とします。総合施工計画書、実施工程表作成時に確認します。
発注者指定方式の場合、受注者は契約時に「完全週休2日」又は「週休2日」を選択することができます。
(…中略…)
受注者希望方式の場合、受注者は契約後に「週休2日」の取り組みを希望することができます。
(…中略…)
発注者指定方式で完全週休2日を選択し、達成できた場合、工事成績評定点の加点を行います。なお、月単位の週休2日(4週8休以上)を達成できた場合、工事成績評定点で評価します。
受注者希望方式で通期の週休2日(4週8休以上)を達成できた場合、工事成績評定点で評価します。
(以下、略)
出典:大阪府公共建築室HP「週休2日促進工事の実施について」より一部抜粋し、加工して作成
このように、週休2日制を促進するための行政の取り組みが進められています。
ここでそもそも、「休日」とは何か、その定義について触れておきたいと思います。
休日には、「法定休日」と「所定休日」があります。
「法定休日」とは、法律で毎週少なくとも1回与えるか、4週間を通じて4回以上与えなければならないと定められている休日のことです。
一方、「所定休日」とは、企業が独自に就業規則などで定めるもので、法律上義務付けられていない休日のことです。
例えば、土曜日が所定休日、日曜日が法定休日といった具合です。
労働基準法
(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
この2つは同じ休みなのですが、様々な違いが生じます。
例えば割増賃金については、「休日労働」となるのは、法定休日のみです。そのため、法定休日に8時間以上労働したとしても、「時間外労働」にはならず、休日労働(+深夜業)の割増率になります。
具体的には、以下の例をご覧ください。
出典:徳島労働局HP「時間外、休日及び深夜の割増賃金」より一部抜粋し、加工して作成
つまり、
所定休日:「時間外労働・25%割増」(+「深夜業・25%割増」)
法定休日:「休日労働・35%割増」(+「深夜業・25%割増」)
ということです。
また、以前に解説した時間外労働等の上限規制について、法定休日における「休日労働」を含めるかどうかの違いがあります。
簡単にまとめると、「月45時間」・「月360時間」の限度時間(青枠で囲った部分)や、「月720時間以内」・「月45時間超が年6回まで」の特別条項(青枠で囲った部分)には休日労働は含めませんが、「月100時間未満」や「2~6か月の平均80時間以内」(赤枠で囲った部分)には含めます。
出典:厚生労働省資料「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」P20より一部抜粋し、加工して作成
出典:厚労省リーフレット「建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」P02より一部抜粋・加工して作成
以上が、建設業と労務⑥(建設業における週休2日制)の概要とその注意点です。少しでも参考になれば幸いです。
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