第33回 建設業と労務⑦(50人未満事業所でのストレスチェック義務化【令和10年5月までに施行予定】)

今回のテーマは「ストレスチェック」です。
ストレスチェックとは、ストレスに関する選択式の質問票に労働者が回答し、それを集計・分析することで、自分のストレスの状況を調べる検査のことです。
労働者が50人以上の事業所では、毎年1回この検査を実施することが法律で義務付けられています。

労働者が50人未満の事業所では、現在実施は努力義務なのですが、法改正が行われ、令和10年5月までに義務化が施行されることになりました。

出典:「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要」P1より一部抜粋し、加工して作成

このストレスチェックは以下のような手順で実施することになります。

出典:厚生労働省作成「e-ラーニングで学ぶ 15分でわかる 法に基づくストレスチェック制度」P6より一部抜粋し、加工して作成

ここでのポイントは、結果は原則本人にのみ通知されるということです。例外として、本人の同意があった場合のみ会社に提供されます。
その検査で高ストレス者と判定された場合、医師による面接指導が実施され、医師からの意見聴取に基づく就業上の措置などが行われる場合があります。

ところで、このストレスチェックとは別に、医師による面接指導が義務付けられている場合があります。以下の資料をご覧ください。

出典:厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」掲載の「医師による長時間労働面接指導実施マニュアル」(以下、国マニュアル)P6より一部抜粋し、加工して作成

ここでのポイントは2つあります。1点目は、「月80時間超の時間外・休日労働」、「疲労蓄積」、「本人による面接指導の申出」という要件がありますが、この前提として、会社は月80時間超の時間外・休日労働を行った労働者に対して、その超えた時間を通知しなければならないということです。2点目は、管理監督者も対象ということです。

そして、長時間労働者に対する面接指導は以下のような流れで実施されます。
面接指導後の報告書(様式4)の記載例とあわせてご覧ください。

出典:国マニュアルP4、31より一部抜粋し、加工して作成

ただ、50人未満の事業所の場合、産業医がいないことが多いかと思います。そんなときは、地域保健産業センター(地さんぽ)に相談することをお勧めします。(地さんぽのサービスはすべて利用料無料)

出典:独立行政法人労働者健康安全機構ポータルサイト「さんぽセンターWebひろば」掲載のリーフレット「さんぽセンター」P2より一部抜粋し、加工して作成

以上が、建設業と労務⑦(50人未満事業所でのストレスチェック義務化【令和10年5月までに施行予定】)の概要とその注意点です。少しでも参考になれば幸いです。

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