第2回 どんな建設工事をするときに建設業許可が必要?

一定の建設工事を行う場合には役所の許可(建設業許可)が必要なのですが、建設業許可が必要なのはどんな工事でしょうか。

許可について確認するときは、まず許可の根拠となっている法律(建設業法)を確認する必要があります。

しかし、法律改正は国会の議決が必要で時間がかかることなどから、法律のうち細かい部分は、その法律の下にある政令(建設業法施行令など)で定めています。

では、実際に一部抜粋した条文をみてみましょう。

建設業法(一部抜粋)

(定義)
第二条 この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。
2 この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。
3 この法律において「建設業者」とは、第三条第一項の許可を受けて建設業を営む者をいう。

(建設業の許可)
第三条 建設業を営もうとする者は、…(中略)…許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。

建設業法施行令(一部抜粋)

(法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事)
第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。
3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。

これらの条文には、いくつか論点が含まれているのですが、今回は建設業許可が必要な工事について定めた部分(色付きの文章)に絞って紹介します。

ざっくりまとめると、以下のとおりです。

☞ 「建設業を営もうとする」、つまり「建設工事の完成を請け負う」(請負契約を締結する)場合、原則として建設業許可が必要。                                              ☞ ただし、例外的に「軽微な建設工事」は許可不要。「軽微な建設工事」とは、建築一式工事(※)以外の工事については、工事一件の請負代金の額が五百万円未満のもの。(金額は税込みで判断) (※そもそも建築一式工事とは何か、建築一式工事の場合に何が「軽微な建設工事」にあたるかなどについては、次回以降に解説します)              

また、注意点として、2点挙げられています。

① 正当な理由なく工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額

 例:もともと1600万円(税込み、以下同じ)の工事を請け負うときに、正当な理由なく400万円の工事×4に分割しても、建設業許可が不要にはならないということです。(これが認められてしまうと、そもそも金額の基準を定めた意味がなくなるので、当然といえば当然です。)

② 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加える

 例:工事本体の代金は350万円(税込み、以下同じ)でも、元請から材料140万円の提供を受けて、運送費が10万円かかった場合、合計すると350+140+10=500万円ちょうどとなり、500万円「未満」ではないので建設業許可が必要になります。

以上のように、どのような工事を請け負う場合に許可が必要なのかはとても大事なので、紹介させていただきました。

もし建設業許可取得をご検討の業者様がおられましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。法律用語は難しいですが、わかりやすい言葉を心がけて対応させていただきます。

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